トップイメージ

あなどると怖い目の病気

急性原発閉塞隅角緑内障



症例   60才代の女性

来院理由は?  突然の左目の激しい痛み 視力低下

経過

起床時に左眼の激しい痛みと充血、頭痛、吐き気がした。吐き気が強かったので、内科の受診も考えたが、かすみ目もあったので、まず眼科に受診したほうがよいと考え当院受診。受診時、左眼は、充血して、角膜の浮腫(むくみ)も出ており、正常な人で20mmHg以下であるはずの眼圧(目の中の圧)が66mmHgとあきらかに上昇していた。緑内障の急性発作と考え、まず、眼圧を下げるために、利尿剤の点滴や、炭酸脱水酵素阻害剤の内服、縮瞳剤の点眼をしてもらったところ、眼圧は16mmHgまで下がり、視力も回復し、眼痛、吐き気などの症状もなくなった。しかし、隅角は依然狭く、レーザー治療(レーザー虹彩切開術)をした。幸い、発作直後に治療をしたので、視神経の障害は認められず、視野の異常もなかった。レーザー治療後は、再び発作を起こしておらず、眼圧も正常にコントロール出来ています。



***なぜこのような病気に?

目の中には、房水(栄養分を豊富に含んだ水)という体液がながれていて、この房水はシュレム管(隅角にある排水溝)から目の外に出ます。房水が作り出される量と排出される量が一定にコントロールされることで、目の中の房水量が一定となり、目の中の圧も正常に保たれています。しかし、隅角がもともと狭い場合、ストレス、散瞳、白内障の進行などの理由で、突然、排水溝が閉鎖され、目の中の房水が、どんどんたまっていくことで、眼圧が急激に上昇し、急性発作が起こったと思われます。



診療方針

急性原発閉塞隅角緑内障は、遠視のある比較的高齢の女性に多く、急性発作をおこすと、眼圧は40~80mmHgと上昇し、急激な眼圧上昇によって、眼痛、充血、角膜の浮腫による目のかすみ、時には、吐き気や頭痛などの全身症状もあらわれます。全身症状から、間違って内科を受診することで、発見が遅れることもあります。早急に、点滴や内服、点眼によって眼圧を降下させ、外来でのレーザー治療や、手術が必要となります。レーザー治療や手術をすると、通常は再び発作をおこすことはなく、治療後の経過は良いですが、治療が遅れ、高い眼圧の状態が続くと、緑内障視神経症をおこし、視野障害をおこしてしまう危険性があり、最悪の場合、失明する可能性もあります。



ひとこと

遠視のある高齢の女性は、隅角が狭くなっている割合が高く、白内障が進行するとさらに隅角が狭くなる傾向があります。隅角は狭くても発作を起さない限り症状はありません。隅角が狭い場合、発作予防のためレーザー治療や白内障を行うこともありますので、一度隅角検査などの詳しい検査、診察をおすすめします。