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あなどると怖い目の病気

アカントアメーバー角膜炎



症例   20才代の男性

来院理由は?  両眼充血、痛み、涙がでる

経過

2週間タイプの使い捨てソフトコンタクトレンズを装用していたが、1週間前より左眼の充血がおこり、昨日より右眼も充血して、眼の痛みもおこったので来院。来院した時には、視力が、右(0.2)左(0.8)と低下し、両眼の角膜上皮(角膜の一番外側)の障害は少ないものの、結膜の炎症が強い状態でした。抗生剤点眼を開始し、2日後には、一旦、角膜上皮の障害はよくなったが、充血は治らず。2週間後には、ひどくなり、結局、両眼アカントアメーバ角膜炎で約1ヶ月入院しました。退院後、角膜に瘢痕(あとかた)が残りましたが、視力は両眼(1.0)に回復しました。



***なぜこのような病気に?

アカントアメーバーは、広く淡水・土壌に生息していますが、水道水にもいます。コンタクトレンズの洗浄保存液のかわりに水道水を使っていたり、洗浄保存液を交換していなかったり、レンズケースが汚れているとコンタクトレンズにアメーバーのような病原体が付着してしまいます。アカントアメーバー角膜炎は、使い捨てソフトコンタクトレンズの使用期間を過ぎて使ったりするなどのコンタクトレンズを適切に使用していない装用者に多いと言われている重篤な角膜感染症です。一旦、アメーバーが感染すると、充血、痛み、涙が出るなどの症状がひどくなり、その割には、角膜の障害の程度が少なく、角膜専門家でも診断に迷うことがあります。



診療方針



通常、入院して、抗真菌剤(カビの薬)の点滴、点眼や、角膜の病巣掻爬(角膜の病巣部を削る)、プールの消毒剤である塩酸ポリヘキサニドの点眼を投与しますが、特効薬がないため、治療は難しく、治っても視力が良くないことが多いです。
今回のケースは、視力もよく、非常に幸運なケースと思われます。



ひとこと

コンタクトレンズ装用者の約3割の方に角膜上皮に障害があると言われていますので、コンタクトレンズ装用者は、アカントアメーバーだけでなく、細菌、真菌感染の危険性もあります。適切にレンズを使用し、洗浄保存液やレンズケースの使用方法にも注意する必要があります。様々な病気の早期発見のためにも、定期検査を受けて下さい。